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円光大師行状翼賛遺事

提供: 新纂浄土宗大辞典

えんこうだいしぎょうじょうよくさんいじ/円光大師行状翼賛遺事

一巻。義山撰。享保一五年(一七三〇)の跋がある。『四十八巻伝』の注釈書『円光大師行状画図翼賛』を刊行し終えた義山が、その後の調査によって知り得た事績等をまとめた書。津戸三郎為守の事跡、津田氏某の元に伝わる幸西の嗣系資料、角張かくはり入道の旧住所地、並榎定照の居住寺、金光の事跡を新たに記し、香月氏某の元から発見した『鎮西聖光上人香月系譜』を、一級資料であるとして翻刻して紹介している。末尾には義山門弟とされる素中の跋文が付されており、これによると素中の労で開版が実現したことが知られる。記載内容はいずれも当時新たに発見された資料に基づいたもので、中でも幸西の嗣系や『香月系譜』の翻刻は唯一無二であり、その功績の高さがうかがわれる。版本は他に安永七年(一七七八)刊本がある。


【所収】浄全一六


【参考】井川定慶『法然上人絵伝の研究』(法然上人伝全集刊行会、一九六一)、同「高祖・元祖・二祖顕彰」(浄全一六解題、一九七四)


【参照項目】➡鎮西聖光上人香月系譜円光大師行状画図翼賛


【執筆者:郡嶋昭示】