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信阿弥陀仏

提供: 新纂浄土宗大辞典

しんあみだぶつ/信阿弥陀仏

三世紀頃、生没年不明。東寺菩提院所蔵の『別時念仏講私記』『知恩講私記』の奥書に「沙弥信阿弥陀仏」の名がある。前者は元仁二年(一二二五)に、後者は安貞二年(一二二八)に彼が書写したものである。前者の撰者は隆寛であるが、後者についても隆寛撰と推測されている。信阿弥陀仏は、隆寛門弟であるとの説、また信阿という法名をもつ平信繁ではないかと見る説もある。彼の名は、奈良興善寺所蔵の阿弥陀仏胎内文書の中にも見える。


【資料】『尊卑分脈』(『新訂増補国史大系』六〇下、吉川弘文館、一九七七)


【参考】櫛田良洪「新発見の隆寛著書」(『日本歴史』二〇一、一九六五)、同「新発見の法然伝記—『知恩講私記』—」(『日本歴史』二〇〇、一九六五)、三田全信『浄土宗の新研究』(隆文館、一九七一)、堀池春峰「興善寺蔵・法然聖人等消息並に念仏結縁交名状に就いて」(『仏教史学』一〇—三、一九六二)


【執筆者:角野玄樹】