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仏所護念会教団

提供: 新纂浄土宗大辞典

ぶっしょごねんかいきょうだん/仏所護念会教団

関口嘉一かいち(一八九七—一九六一)と妻トミノ(一九〇五—一九九〇)が昭和二五年(一九五〇)に設立した在家仏教教団。本部は東京都港区白金台。トミノは子どもの死や病気から日蓮宗などを信仰していたが、昭和八年(一九三三)夫婦で『法華経』を重視する霊友会に入信。同一〇年には嘉一が第六支部長を務めるようになる。その後、霊友会の脱税容疑が発覚し教団が分裂したのを機に同二五年脱会、嘉一が初代会長となって仏所護念会教団を設立する。その後、同三六年にトミノが二代会長に、平成二年(一九九〇)には嘉一・トミノの息子徳高が三代会長に、同二六年にはその息子慶一が四代会長となった。同教団は、『法華経』のなかの「教菩薩法仏所護念」という一節を教団名としたように、『法華経』に基づいた実践活動を行う。なかでも『妙法蓮華経』二八品、『無量義経』、『観普賢菩薩行法経』の経典は、信者信仰基盤になっている。さらに日蓮の霊跡を参拝、日蓮に関わる行事を行いながらも、明治神宮や伊勢神宮、靖国神社への参拝もしている。信者数は公称約一四六万人(平成二〇年〔二〇〇八〕現在)。


【参考】杉田幸三『仏所護念』(全貌社、一九六八)、杉浦行真「関口嘉一伝」(『臨時増刊 正論』サンケイ出版、一九七七)


【執筆者:武井順介】