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介然

提供: 新纂浄土宗大辞典

かいねん/介然

一一世紀末から一二世紀頃の人。生没年不明。定慧尊者ともいう。中国宋代の天台系浄土教者。明州ぎん県(現・浙江省寧波市)に生まれる。初め福泉山延寿寺で教えを受け、後に知礼の法孫にあたる明智中立より天台の教観を学ぶ。元豊元年(一〇七八)から三年間、延慶寺で専ら西方浄土行業を修す。多くの人が禅観を行えるように、阿弥陀三尊を安置する宝閣とその周りをめぐる十六観堂を建設した。建炎四年(一一三〇)に金軍が明州に侵入した際、ただ一人十六観堂を固守するも、金軍に連れ去られる。


【参考】小川貫弌「浄土教受容の一形態—常行道と十六観堂—」(日仏年報二〇、一九五五)


【執筆者:吉水岳彦】