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人天致敬願

提供: 新纂浄土宗大辞典

にんでんちきょうがん/人天致敬願

無量寿経』に説く、阿弥陀仏四十八願中第三十七願の願名。道光無量寿経鈔』による。義寂は「令成尊徳願」(『無量寿経述義記』中、恵谷隆戒浄土教の新研究』四二三)、智光は「聴名修行衆所敬重願」(『無量寿経論釈』三、恵谷隆戒『同』四七七)、良源は「聞名修行衆所敬重願」(『九品往生義』浄全一五・二〇)と呼ぶ。成仏したなら、あらゆる世界の諸天や人々が自分の名号阿弥陀仏)を聞くと、五体を地に伏して礼拝し、歓喜信楽して菩薩の行を修し、諸天や世界の人々から敬われるようになりたい、との願。梵本の第三十六願、チベット訳の第三十八願、『無量寿如来会』の第三十七願、『無量寿荘厳経』の第二十九願がそれぞれ対応する。『大阿弥陀経』『平等覚経』には対応する願がない。


【資料】道光『無量寿経鈔』四、義山『無量寿経随聞講録』上之三(共に浄全一四)


【参考】香川孝雄『無量寿経の諸本対照研究』(永田文昌堂、一九八四)


【参照項目】➡四十八願


【執筆者:齊藤舜健】