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了誉上人行業記

提供: 新纂浄土宗大辞典

りょうよしょうにんぎょうごうき/了誉上人行業記

一巻。撰述年代撰者不詳。漢文体で書かれた聖冏の伝記の一つ。本書は伝記の中では短いものであるが、誕生から滅後まで総体的に述べられている。聖冏の父の名前は、各伝記によって異なった記述が見られるが、本書では白吉志摩守義光と記されている。しかし相閑『了誉上人伝』では白吉志摩守義満、『聖冏上人絵詞伝』には白石志摩守宗義など諸説が多い。また母の出自についても諸説あるが、本書では触れられていない。このため伝記形成の系統も定かでないが、聖冏が江戸へ移って閑居した現・伝通院移転後の表現があるのでそれ以降の著作と推測できる。その内容も二五歳からの他宗・他教への遊学と、その成果としての著作、聖冏教判について詳しく書かれている。また弟子となる聖聡との出会いも詳細に示されている。


【所収】浄全一七


【執筆者:服部淳一】