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一文字座

提供: 新纂浄土宗大辞典

いちもんじざ/一文字座

法会の際、職衆が本尊の正面一列に並び座ること。一という文字の形からこの名があり、そこに座る人を称することもある。法会を勤修する道場は、堂宇の大小や建築構造による制約のため、職衆の並び方と道場内の配置などのしつらえは様々であるが、別時会などでは、本尊に対面するように一文字の形に座ることが多い。知恩院大殿で大法会を厳修するときには、特別待遇者(耆宿ぎしゅく宿老しゅくろう長老)が座る特別席をいう。その際、本堂正面には高座が設けられて導師が座る。式衆と出勤寺院僧侶(準別席・一般席)は、導師の左右の側に分かれて向かい合って座る。高座の後方に侍者である内役二人が座り、その外側に重役である役席二人が座る。その役席の後方左右に、本山待遇者が一列に並んで大師前に向き合うように着座するが、この一文字座の席を別席と称している。


【参考】『大本山増上寺史 本文編』(大本山増上寺、一九九九)、「年中常規」三月三日の条(『増上寺史料集』二・二二六、同、一九八二)


【執筆者:西城宗隆】