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ざんざか踊り

提供: 新纂浄土宗大辞典

ざんざかおどり/ざんざか踊り

兵庫県養父やぶ市八鹿町および大屋町、兵庫県美方みかた郡新温泉町で行われている念仏踊り系統の太鼓踊り。八鹿町は「九鹿ざんざか踊り」、大屋町は「若杉ざんざか踊り」、新温泉町は「久谷ざんざか踊り」と各々呼ばれている。現在、八鹿町と大屋町では毎年八月一六日に、新温泉町では九月一五日に行われている。たとえば「久谷ざんざか踊り」では、腰につけた太鼓を打ち鳴らしながら多くの種類の踊りと唄を行い氏神に献納し、五穀豊穣、氏子安全を祈願する。伝承によると、室町時代に大和国の修行者によって伝えられ、踊りを氏神に献納して疫病の退散を祈願したことから始まるとされる。踊り手は八人で構成され、篠竹と和紙で作った一文字笠を被り紺色縦縞かすり単衣ひとえに角帯を締め淡紅色のたすきを結んで紺色股引に白足袋・切り子下駄をはき、平太鼓ばちをもって踊る。唄い手は神社紋入りのかみしも袴に白扇を持って、「門付」「白鷺」「赤崎通い」「若狭登り」「山伏」「三又榎」「大谷寺」「牛若君」「高木モガレ」「およやれ」「津山が沖」「赤間が関」「空たつ」「綾踊り」「千鳥」「忍び踊り」など数種類を唄う。踊りが興ずると踊り手も一斉に唄い出し、独特の連帯感を生むとされる。


【執筆者:齋藤知明】